meromero-punch

そこらへんのおたく

頑張れよ。伝説



















"決意表明"
















羽生さんがプロになる。


競技会には、参加しない。


















































そっか。おつかれさま。


ずっと大好きだった。


ありがとう。


















そうすぐに受け止められた自分に驚く。












某選手の引退のときみたいに。























思えば平昌からずっと覚悟はあった。


いつ宣言されてもおかしくない。


きっとみんなそう思ってた。













あれから4年。


まさか北京まで観られるなんて。


夢のまた夢で。


こんなに嬉しいことがあるのかなって。

























この宣言がもし平昌のときだったら、


大泣きしてたかも。


ヤダヤダヤダって子どもみたいに


駄々こねたかも。


3日くらい寝込んだかも。


食事が喉を通らなくなったかも。


生気を失ってたかも。












   







でも、



















会見のときの表情が


穏やかで優しくて温かくて、


でも少し儚くて、

























桜が咲く春みたいだった。




 

 














  




羽生さんとそのファンの間にしかない春が


あったような気がして。


















春って、そういう季節だから。




















人生で1番優しい別れを持ってくるのが、春。


始まりを告げるのも、春。





















競技者としての道に別れを告げながら、


新たな道を開拓していく。

























挑戦はやめない。

























羽生さんらしすぎて痺れるね。
























これから先、


エントリーに名前はない。


どの競技会にも"Yuzuru HANYU"


コールもバナーもない。


















固唾を飲んで見守る演技も


フィニッシュ後の鋭い表情も


早口阿修羅のインタビューも


ミックスゾーンの中継も


穏やかなプレカンも


バンケの写真を待ち侘びることも


グリーンルームのリラックスシルバニア空間も















全部、もうない。























ないものを数えると寂しく感じるけど、


それには限りがあって。






















じゃあこれから羽生さんがやりたいことは?


わたしたちに見せようとしてくれているものは?





















もうこの時点で数え切れなさそうで


ワクワクしちゃう。























プロのスケーターとしてのキャリアって


正直素人にはわからないことだらけだけど、



















羽生さんがこれからわたしたちに見せる景色は


こんなオタクのちっぽけな想像を


また遥かに超えてくるはず。



















この10年と少しの期間、ずっとそうだったように。





















第一線で活躍してきた今日まで、


結果と数字に人一倍こだわりがあった羽生さんが


今、明らかに"人々の記憶に残る"アスリートに。





















少年ジャンプより少年ジャンプな羽生さんは


確実に伝説で。




















そして、それはこれからも同じで。
























羽生結弦は終わらないね。
























これからもずっとついていくからな。


おもしれぇフォロワーとドンチャンお祭りTLやるからな。


再演してほしいプロ叫び続けるからな。


またいつか直接観に行ける機会が来たら


語彙失って帰路につくからな。


そのあとインライするからな。


















次の道も勝手に応援させてもらうからな。


























頑張れよ。伝説




























まだまだ楽しもうな。オタク












































2度。















2022227


大好きなフィギュアスケーター


新田谷凜という選手が引退した。








2014年の全日本。


BS放送枠の女子SP


「新田谷凜」


これがわたしのオタクの始まり。


え!全日本ってBSでも放送されてるの!


知らなかった!こんなにたくさん出場してるなんて!


みたいな、謎の高揚感。


そして、


このとき初めて凜ちゃんの演技を観た。









とにかく第一印象は「この人好き」


それだけだった。


それだけで、十分だった。





これが、ファン(オタク)生活の始まり。


思い出は多々あるけれど


もう論文になるので大幅に割愛するね。















最初の引退シーズン。











このシーズン、「やめないで」以外の感情が消えた。


どの試合もどのレポを観ても


「やめないで」


そんな気持ちしかなかった。
















この1度目のラストシーズン


わたし自身も学業が学生生活最大の忙しさで


現地には何一つ行けないまま


迎えた2019全日本。


なんとか調整してこの全日本だけは


会場に足を運んだ。








重い重い足取りで。


始まる前から泣き出しそうで。


というか、飛行機ですでに泣きそうで。













やめないで、やめないでと願いながら。











磨きがかかったレッドバイオリン。


最高のエクソジェネシス


これが引退する人の演技。







でもやめないで、お願いだからやめないで








このシーズン、ずっとそう思ってた。


そりゃ1番応援してる人の演技が


もうずっと見られなくなるんだから


寂しくなるのは当然だけれど。


やめないで、と願いすぎてしまった。


だから現地で観ていたこの全日本


SPFSも正直全然覚えていない。


最高の順位だったのに


最高の演技を届けてくれたのに


目に焼き付けなければいけなかったのに


最後の全日本なのに


凜ちゃんはいつもわたしの大好きなスケートを


魅せてくれていたというのに


ただのファンでしかないわたしなんかが、


"引退"という現実で視界不良になっていた。


やめないでという私情がわたしを邪魔した。


後ろ向きにしか、なれなかった。


引退の現実を、


どうしても受け入れたくなかった。












今となってはあのときの自分を後悔しているけれど。


それくらい、やめないでほしかった。


ただのファンの端くれのくせに


こんなわがままな気持ちでいることが


応援している人の決断を応援できないことが


頭では理解していても認めたくない邪念が



そんな自分自身が


本当に本当に嫌で嫌で


仕方がなかった。















そのシーズン末、学生主催のアイスショー


どうしても前後の日程調整ができなくて、行かなかった。


絶対に行けなかったわけではない。


"行かなかった"。




這ってでも行こうとするのが通常だけど


わたしは行かないという選択をあえて取ることで


引退という現実を、自分の中で遠ざけた。


凜ちゃんを、勝手に失う気持ちでいた。


凜ちゃんにとってわたしは赤の他人なのに。


図々しいにも程がある気持ちを抱えていた。


今シーズンずっと変わらない


わたしのわがままな気持ち。


本当に、ファン失格。


最低だ。


そう思いながら。


あえて全ての情報をシャットアウトした。


引退のスピーチレポなんて、いまは読みたくない。


引退の実感なんか要らない。


まだ凜ちゃんは、引退していない。


もう演技を見られないなんて、信じられない。





本当に、ファンとしてありえないけれど。


やめてほしくなかったんだ。


純粋に。











いつのまにか通知で溢れるiPhone


いろんな人からリプもdmももらった。


シャットアウトしていたTwitter


何事か、全然理解できていなかったけれど


みんなからの


「よかったね!」のメッセージ。


周りのオタクも温かい人に囲まれて幸せだ。


そしてまだ凜ちゃんを応援できる喜び。


こんなに嬉しいことはない。


それと同時に、申し訳ない気持ちがどっと押し寄せた。


最初の決断を、受け入れられなかったこと。


私情がすぎて、受け入れようとしなかったこと。


やめないで、と願いすぎてしまったこと。


心の底から、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。













だからこのとき、決意した。


「次本当に引退するときは、笑っていよう」














え、2020-2021シーズン強化Aじゃん!


(このシーズンも書くと長くなるので割愛)















2021-2022シーズン。2度目の引退。


シーズン前半、すべて無観客。


「続けられない環境にした」


というご本人の言葉。強い覚悟。


撤回したあのときからすでに気にしていたけれど。


続けるのは2シーズンくらいかなって。





だから、


そうか、その時がきたんだなと


なぜかすんなり受け入れられた。


よくわからないけど、受け入れられた。


最初の引退シーズンはあんなにも


引退の現実を拒絶していたのに。


自分でももうよくわからない。


笑って応援できるように。


あのときみたいに、


引退のシーズンに、


後悔することを少しでも減らせるように。









もうあんな思いでファンを名乗らないように。











2021全日本。たまアリ。


悔しさで溢れた。


抱き合って泣いた。


そういう友だちができたのも


凜ちゃんが繋いだ縁。












最後の試合の日。


あいにくSPはどうしても外せない仕事 (鬼不憫)。




そして2022227日。


大泣きする覚悟で名古屋入り。


大泣きする覚悟で6練を見つめた。


大泣きする覚悟で始まった選手権女子FS


不気味で、それでいて繊細なブラックスワン


凜ちゃんにしかできない演技。最後の演技。


ひとつひとつ噛み締めた。


会場で観ていたのに全然覚えていない


2019全日本とは全然違う。


絶対に絶対に、ひとつひとつ目に焼き付けて。


見落とさないように。






もう後悔しないように。
















あっという間だった。


FSの演技を終えたわたしの気持ちは


晴れやかさそのもの。


大泣きの予想に反して。


周りのオタクはみんな泣いていたけれど


この状況で泣いていないわたし


どうした?薄情?サイコ?感情持ってる?











いやいや、本当にそうではなくて。


とてもスッキリした気持ちで。


いい演技だったと、純粋に嬉しくて。




苦しかったシーズンだったかもしれないけれど


最後の最後にこの完成度。


さすがのFS番長。






いや6練で1度もLoする仕草なかったな。


助走がLoじゃないな。


引退試合でもしっかりリカバリ見せてきたな。





痺れた。





どこまでも"凜ちゃんらしい"FSだった。






これはあとからプロトコルを見て気づいたんだけれど


2T*じゃん。


ま、それはご愛嬌〜







最後の最後までらしい演技。


らしさで溢れていた。


そんな、最後の競技会での演技だった。














セレモニーは誰もが想定していた


「エクソジェネシス


それしかないよな。


でもそれは反則よな。


隣の某オタク、もう涙腺ギリギリじゃん。


たおやかでしなやかで


美しさそのもの。





3T3T、凜ちゃんのが1番好きだよ。


3Lzほんと大きくて綺麗。



みんな大好き2A3Tくる!


いや2T抜けるんかーい!!!!!!






これも良い思い出。


本当、最後の最後まで


ずっと「凜ちゃんらしい」と言える。








引退の言葉。


カンペなしで、そのときの出てきた言葉で


真っ直ぐに思いを届ける姿。


そのまっすぐな思いを


あの場で聞けたこと、絶対忘れない。












「らしさ」といえば、人柄。


リンクサイドに集まる人の多さ。


先に引退した同期、コーチ、チームメイト、先輩後輩



みんながみんな


凜ちゃんの最後の演技のために駆けつけた。






わたしが凜ちゃんを好きな理由のひとつが


これなんだと思う。


わたし自身は本当に曲がった人間だから


凜ちゃんの直向きさをとても尊敬していた。


一途にスケートに向き合う姿が大好きだった。


それが演技を通して観られることが贅沢なことで。


まっすぐな姿勢がとても好きだった。


こんなに幸せな空間があるのだろうか。


惜しまれつつ、温かく引退を祝福するあの空気感。


忘れないと思うし、それ以上に忘れたくない。










長々と綴っているけれど、


結局わたしは全然現地に行けていない。


Twitterでどうでもいいこと呟いているだけで。


新田谷会のTOと面識があることすら恐れ多い。


それくらいのファンの端くれ。


本当に弱小オタク。


なにか常に応援を届けられていたわけではない。


形あるものを残したわけでもない。


特別多くファンレを書いたわけでもない。




私生活の影響もあってスケートを観ることすら


離れている時期もあった。


決して良いファンなんかじゃなかった。


いや、全く良いファンじゃなかった。


それがずっと、後ろめたい気持ちだった。


こんなわたしが、ファン名乗っていいのかな。


熱心に応援してる人が身近にいるのを知っているから


自分のファンとしての在り方が嫌だった。


申し訳なくて、辛いと思うことさえあった。











それでも、現地にいなくても


少しスケートを観ることから離れても


Twitterを開けば


「新田谷凜」でパブサをかけていて。


離れた期間も、ちゃんと大好きで。


凜ちゃんが引退して、初めて


自分のファンとしての在り方も


ほんの少しだけ肯定できたんだ。





いや、勝手すぎるけどね。

















次シーズン以降、どの試合もエントリーの全てに


「新田谷凜」


という名前は記載されない。


その時が来て初めて、


寂しさを感じるのかもしれない。


そのときはそのときで、


思いきり、


ファン同士で寂しさを共有したいと思う。







新田谷会ってそういう存在だから (たぶん)。













今はこの爽やかな気持ちだけを胸に


この引退を


心から祝福したい。













2022227


大好きなフィギュアスケーター


新田谷凜という選手が引退した日。


2度目の引退を経験した日。


大好きな選手の花道を


大好きなファン同士で笑って送り出した日。








幸せな日。